コソダテノスキマ

子育ての隙間です。育児に関するあれこれです。

把握反射で彼女がその手に掴むもの

その握られた手を開いてみれば、そこにはいつも、ホコリである。

赤子の原始反射のひとつ、把握反射と呼ばれる行動によって、ささみはその掌に触れたものを何でも握り締めてしまう。だから布団やバスタオルや肌着などを掴んでいるうち、糸屑やら何やらが絡み合い埃となって、彼女の手のなかに在しているのだ。

気が付いたときに埃を拭うのであるが、しばし間をおいてみれば、またそれを入手している。沐浴は日々こなしているのだし、拭うのも切りが無いので、ある程度は放っておこうかとも考えるのだが、さすればささみは、その手指を埃ごと口に入れ、むちゃむちゃとしゃぶってしまう。埃を飲み込んでしまってはいけないと、やはり度々その手を拭ってやるしかないのである。

 

ところで我が家では、ささみの握る埃のことをプライドと呼ぶことにしている。私と妻は、ささみに日々、こう話しかけている。

「ささみ、またプライド持ってるの?」

「ちょっとプライドを見せてごらんなさい」

「ささみ、プライドを捨てましょうね」

「うわ、すごい力でプライドを守ってるね!」

訳を知らぬ人が聞いたら、赤子相手に何を言っているのかと眉をしかめられそうなので、自宅以外では使わない約束である。

 

把握反射は埃を呼びこむ元である。しかし、たとえば私の指で、ささみの掌をちょこちょことすれば、その小さな手でぎゅうと握り返してくれる。それが、実に感慨深い。何と言おうか、心が、今までにないくすぐられ方をするのだ。埃の始末は面倒であるが、自分の指を握られる度に、反射も悪くないものだと、そう思うのである。

ちなみに、把握反射は手だけではなく足にも出る。だからささみは足の指でも、日に幾度拭おうと、気付けばプライドを取り戻している。

 

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