コソダテノスキマ

子育ての隙間です。育児に関するあれこれです。

哺乳びんの乳首サイズを大きくした話と妻の顔サイズが大きくなった話

ささみにミルクを与えながら、ふと思った。

すでに生後二ヶ月を経過しているが、哺乳びんに取りつける乳首が、そういえば新生児用のままである。ささみが生まれる前に購入したものを、今まで使い続けていたのだ。そろそろ大きいサイズのものに替えるべきだろうと考え、ベビー用品店へ赴いた。

ささみが使っている乳首は新生児用、SSサイズである。売り場には、「一ヶ月頃から」と書かれたSサイズ、「三ヶ月頃から」のMサイズ、「六ヶ月頃から」のLサイズが置かれていた。乳首の先端に設けられた穴の大きさ、カットの仕方に違いがあり、使用する乳首によって、ミルクの排出量が変わるのだ。

どれを購入すべきだろうか。現在ささみは二ヶ月である。素直に考えればSサイズでよいのだが、三ヶ月を迎えるころに、すなわち今からひと月後に、またMサイズを買い直すのも、もったいない気がしないでもない。妻と話し合い、Sは飛ばしてよいだろうと結論づけて、Mサイズを選択した。

 

ミルクの時間。新しい乳首を装着した哺乳びんをささみにあてがう。いつものように、勢いよく飲み始める。ほどなく、耳慣れない音が聞こえた。ごっ……ごっ……ごふっ……ごふっ……こぽぉこぽぉこぽぉ……。

ささみの口からミルクが溢れ出る。ささみがミルクを飲みこむ速度に対し、哺乳びんから供給されるその量が、明らかに多すぎる。もちろん吸うのをやめればミルクも止まる。いったん口のなかを空にしてからまた吸えばよいというのが道理だ。しかし、ささみにそれはできない。口になかに乳首があれば、吸うのだ。吸ってしまうのだ。

あわてて、ささみの口から哺乳びんを引っこ抜く。多すぎるミルクに咳き込んでしまったささみ。申し訳ない気持ちでいっぱいになる。早すぎた。Mサイズは早すぎたのだ。

結局、その日は新生児用の乳首に戻してミルクを与え、翌日にSサイズの乳首を購入することとなった。Mサイズよりましとはいえ、Sサイズでも新生児用に比べたらミルクの排出量は増えているので、最初の数日は勢いよく飲みすぎて咽ることもあった。現在は、こつを掴んだのか一定のペースで飲むことができるようになっている。

三ヶ月を過ぎたころ、またMサイズを試してみようと思っている。

 

さて、ささみはSサイズの乳首に慣れた。もう、新生児用の乳首は不要となった。乳首に合わせ、哺乳びん自体も大きいものに新調したので、新生児用の哺乳びんセットが丸々不要となったのだ。私は、以前からやってみたいと思っていたことを、実行するときがきたのだと感じた。

私は、液体の乳製品が嫌いで飲むことができない。だから、哺乳びんにお茶を注ぐ。ささみが使わなくなった乳首をセットする。そして、それを妻に手渡し、その膝に頭をのせて寝転がり、なにも言わず、私はただ口を開けた。妻は、少し神妙な顔で私を見つめ、ひとつため息をついたのち、私の口に哺乳びんを突っ込んだ。

吸ってみる。お茶がうまく出てこない。今度は唇で乳首をつぶしながら吸ってみる。思った以上の量が、口のなかへ注がれる。なるほど。挟む、吸うというふたつの動作を同時に行うことで、口内にミルクが注がれるようになっているのだ。けっこうな重労働である。ささみは生まれたばかりのころ、ミルクを飲みながら寝てしまうことが度々あったが合点がいった。

吸っているうちに、おやと思う。口にたまったお茶を飲みこむときに、私はどうしても吸う動作をやめてしまう。しかしささみは、常に一定のリズムでもって、ちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくと絶え間なく吸い続けていたはずだ。吸いながら、飲み込んでいるのだ。ささみにできて、私にできないことがあるなんて。なにかコツがあるのだろうか。

次のミルクの時間、哺乳びんを咥えたささみに「それはどうやっているのか」と問いかけてみた。ささみはただ、私の顔を見ながらちゅくちゅくとミルクを吸い続け、その腕前を見せつけてくるだけだった。

 

ところで、哺乳びんをひとしきり試したあと、妻にもそれを促してみた。あまり乗り気ではなさそうな妻の頭を私の膝にのせたところ、ささみサイズに慣れきっていた私には、妻のその顔がなんとも大きいものに感じられて、ひどく狼狽した。哺乳びんの感想をなにか言っていた気がするが、一切覚えていない。

 

ピジョン 母乳実感 哺乳びん 耐熱ガラス製 160ml ライトグリーン

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